いいワインとの出会い。
いいワインとの出会いは、いい友との出会いに似ている。最初に出会ったワインは1970年の夏、セーヌ河畔のヴォルテーユというレストランで何気なく注文したブルゴーニュの赤だった。1945年のコルトン、これが絶妙に美味しかったのである。たびたびこの店を訪れてはこのワインを惜しげもなく飲んでいた。この頃の価格で約7000円くらいであった。柔らかなアントルコット・フィレに素晴らしく調和していたのを覚えている。パリも静かな時代でアベニュー・クレヴェールのルイビトンの店内も人影はまばらであった。よき時代のパリを過ごせたことに感謝している。
日本人のもうそろそろおしゃれなワインの選び方をしてはどうだろうか。やたらに重いの渋いのでは田舎者のワイン選びのようで洒落たレストランでは馬鹿にされるだけである。あげくのはて一番安いのをチョイスする客の多いこと。
こんな時は「おすすめの美味しいワインをください」と言えばよい。良心的なお店なら好みを聞いてリーズナブルのワインを勧めてくれる。ひょっするといい客にしか出さないスポット物の貴重なワインに出会うことができるかもしれない。そんなワインはきっとまた飲みたくなるような味わいがする。